業務上の方言を消すかどうか問題の最適な対処法

マインド 仕事

業務上の訛りを直すべきか当人のバックボーンを尊重してあげるかのラインはどこにあるのか。

ある企業のPMの業務内で、同社カスタマー対応の一貫としてお客様相談室(コールセンター)の運営に少なからず携わったことがあった。
そこに東北出身のオペレーターがいて、優秀な人だったのだが、一点だけ、ものすごく強い訛りで当地以外の人はかなり聞き取りづらいという難点があった。
お客様から該当オペレーターの言葉が聞き取れないという苦情が数件ほど上がってきたため話し合うことになった。

正直言って、訛りなんか当人の勝手にすればいい話だし、誤案内をした苦情ならともかく、「訛りが強くて聞き取りづらい」というのは半ば言いがかりとも取れる、というのがチームの認識であった。
しかしながら、該当オペレーターの訛りが強いことは自他共に認める事実であり、お客様に違うニュアンスでものごとが伝わる、すなわち誤案内に繋がりかねない危険もはらんでおり、カスタマーサポートとしては「CS品質向上=OPの対応品質の向上=お客様のご意見(=苦情、クレームのこと)をゼロにする」という命題が厳然と存在し、上層部からのプレッシャーもあり、手をこまねいて何も対策をしないわけにはいかない。

当人含めて話し合いをして至った結論としては、
商品名、サービス名、固有名詞、人名についてはオリジナルを尊重する=標準語がメイン=での対応を心がけ、それ以外もできるだけ訛りを減らすよう心がけて応対にあたりこれまでどおり精勤をしてほしい、というものであった。

こういう当人のバックボーンや人格に触れかねないセンシティブな問題には配慮が必要だしできれば触りたくない。
だが、センターとしての品質を担保しなければならない手前そうもいかない。
当人には大変心苦しいお願いをせざるを得なかった。
とはいえ、お客様、コールセンター(会社)、オペレーターの三方良しの絶妙なラインで着地したように思う。

全国から人が集まっているという東京という街の性質上、サービス業、とりわけ電話を介してお客様とお話をする業態においてオペレーターの故郷の訛りをどうするか問題は、けっこうあるやに聞く。
そもそも、例えば大阪出身の人には「訛りを直す」という概念がない人も多いし、特定の地域の訛りが良い悪いという話ではなく、お客様目線で「その言葉は聞き取りづらくないか」、引いては「訛りがあるためお客様に間違った伝わり方をしないか」という懸念が、こういう業態には常に付きまとう。

すべてが標準語で話せばなんら問題ないのだが、当人の故郷の訛りというものは人によっては簡単に取れるものではないと聞くし、仕事でどうしても直したほうがいい喫緊たる場面以外では、訛っていようが標準語だろうが何弁だろうが好きにすればよいだけ、でも仕事の上でどうしても直すべき局面ではできるだけお客様に御迷惑のかからない方向でご協力いただくしかない。

心苦しいが、いろいろと勘案した結果としてそういう結論だった。

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今回は、このような経験をしたことがあるというアウトプット記事を書いた。

職場で似たような悩みを抱えていらっしゃる人へ僅かでも参考になれば幸いである。

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