芸能事務所で働いた時のヤバイ体験

マインド 仕事

  1. 芸能事務所の雰囲気と社長の出社率
  2. 芸能事務所勤務の鉄則
  3. 芸能事務所内で体験したヤバイ事件5選
  4. 芸能事務所で働きたい人へ
日本結婚相談所連盟

芸能事務所勤務時代に体験したことなどを書いた(私が経験したエキセントリックな会社5選【芸能・テレビ・広告・制作】)の記事が思わぬ反響を呼んだので、その記事で書ききれなかった芸能事務所時代の話をさらに深掘りして書くことにしました。

社員の雰囲気と社長の出社率

東京都心にある割と大手の芸能事務所にいたことがあると以前の記事で書きました。

その芸能事務所へはWEBプロモーション周りの担当者として入社しました。
WEB畑を歩いていた私としては芸能関係の会社で働くのが初めてで不安と期待が入り混じりながらの入社でした。

皆さんも「芸能事務所=ヤクザ」の印象が強いと思いますが、私も同様でした。
「社員や上司がパンチパーマ、顔に傷、肩や背中に刺青の入っている人がいても驚かない」というメンタルで挑んだのですが、入ってみれば、芸能事務所とて企業で、中で働く社員たちや会社の雰囲気は「いたって普通」と感じました。

社内には所属アーティストやタレントの興行まわりを担当するセクション、所属アーティストやタレントのマネジメントを担当するセクション、経理や総務を担当するセクション、WEBを含めた広報まわりを担当するセクションなどがありました。私は「WEBを含めた広報まわりを担当するセクション」に所属しました。

社長はメディアにほとんど出ることがないので、私からすれば謎の人でした。
社長は月に数回出社します。
社長の出社時には全員その場で仕事の手を止めて起立して「おはようございます!」と頭を深く下げて最敬礼をして迎えます。社長の退社時には同様に最敬礼で「行ってらしゃいませ!」と挨拶をします。


社内のドレスコードはスーツにネクタイですが、唯一、社長だけは私服です。
ラフな服装で月に数度会社に現れ、「ういっす」と言い放ち颯爽とオフィス内を横切って、直立不動の社員たちに見守られながら社長室に消えます。
社長の顔はコワモテですが、刺青も入っていないそうで、顔に傷もありません。
役員によれば「社長はカタギ」とのことでした。

私のような末端スタッフでは社長と直接会話する機会は数度しかありませんでした。
社長との会話といえば業務上の話よりも「君の評判は○○君から聞いている。頑張りたまえ」というような薫陶といった感じの趣旨のものでした。

お世辞でなはく本心から言うのですが、こういうドラスティックでグレーな業界で仕事をする、それもプロダクションのトップとして組織を率いる人というのは強くておおらかで、至近距離にいるとそのオーラに圧倒された思い出しかありません。
業界がどうこうということではなく、経営者としては尊敬に値するというのが私の感想です。

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✏️ 当記事で書いている芸能事務所で働いた経験やテレビ局、広告代理店などでの経験談をレポートにまとめた過去記事は以下からご参照ください。
▶︎ 私が経験したエキセントリックな会社5選【芸能・テレビ・広告・制作】

✏️ 以前書いた芸能事務所についての現状についての記事は以下からご参照ください。
▶︎ 芸能界は今でもヤクザ稼業という話

✏️ もしあなたが勤める会社の労務関係に問題がある、もしかするとブラック企業かもしれない、そう懸念しているようなら過去に書いた以下の記事をご参照の上、あなたの会社がブラックかどうかジャッジして、退職や転職のご参考になさってください。
▶︎ 【あなたの会社は大丈夫?】ブラック企業診断 最新チェックリストとブラック企業から抜け出す方法

✏️ 地元での生活に飽きたので思い切って上京して人生再出発をしたいという方は過去に書いた以下の記事をご参照ください。
▶︎ 【完全ガイド】人生をチェンジしたいあなたが田舎から上京する方法

芸能事務所勤務の鉄則

私のいた芸能事務所では毎朝、全員で「社訓」の唱和がありました。

「社訓」とは今風に言えば企業のHPに載っているような「弊社が果たすべき社会的意義」「ミッション・バリュー」なんちゃら的なアレです。
企業体質としても会社の設立の歴史としても割と古い芸能事務所なので「社訓を唱和」というカルチャーになるのでしょう。

社訓の内容としてはざっくり言うと、
一人一人が我が社の顔であることを肝に銘じて行動せよ
役員の許可なしにあらゆる者のからの接待を受けるまじ
社員間同士の金銭の貸し借りは禁ず
みたいな内容だったと記憶しています。

他にもいくつかあったと思いますが、内容の際立つものが上記の3つでした。
概ね社会人としてあるべき姿やあるまじき行為としてはきわめて真っ当とも言える内容のものがほとんどですが、こういったものを社内の一番目立つ場所に「社訓」として掲げてあり、それを毎朝全社員で唱和するという旧態依然としたカルチャーに戸惑いましたが、1ヶ月もすると慣れて「日常」になりました。

雰囲気としては秘密結社か軍隊か宗教チックにも見えますが、唱和が終われば各員自席に戻って業務を開始し、普通のオフィスの雰囲気に戻ります。

オフィス内の風景もぱっと見はいたって普通なのですが、私がこの芸能事務所在籍時にエキセントリックな事件を体験、あるいは目撃したので、やはり普通の会社とは言い難いです。
この芸能事務所で体験、目撃したヤバイ事件を次項にピックアップしました。

芸能事務所内で体験したヤバイ事件5選

他の芸能事務所とお仕事をしたことがないので、芸能事務所とは特殊な業界だからと言うべきなのかその芸能事務所特有の事象なのかはわからないのですが、私がそこでしか体験できていない事件が在籍中にたくさん起こりました。

その中でも特にヤバイ事件を5つ選び、ピックアップしました。

  1. 持ち逃げ元社員に挨拶してしまった告白事件
    有名タレントAのマネージャー社員Bが朝の社訓唱和前に突然「皆さんにお話があります」と言い場の空気を止めたと思ったら「元社員C氏とテレビ局ですれ違ったが咄嗟に挨拶をされたので挨拶を返してしまった。これは社長を裏切る行為であると自らを恥じてなりません。よって私はこれより1ヶ月間、朝の社内清掃を自分に課します」と居合わせた全社員スタッフに向けて謎の告白と宣言。
    マネージャー社員Bの言う「元社員C氏」とは、その数年前にタレントの”持ち逃げ”(=マネージャーが担当タレントを連れて勝手に独立する行為を指す)をして、その芸能事務所においては「社長の顔に泥を塗った憎き敵」として情操教育の対象とされる、ブラックリストに載っている人物であった。
  2. 所属アーティストのマネージャーが忽然と失踪した事件
    ある朝、所属アーティストDのマネージャー社員Eが突然来なくなった。
    後日、マネージャー社員Eの家族から、今で言う「鬱」のような症状に陥ったと電話があった。
    マネージャー社員Eはメンタルヘルスを壊し、自己都合で退社となった。
    そのアーティストDはとにかくスタッフに厳しいことで有名で、アーティストDのマネージャーがすぐ飛ぶ(なかなか固定しない)とマネジメントセクションの社員が嘆いているのを聞いたことがある。
  3. 謎のエセ関西弁にてイベント会社に凄む社員目撃事件
    所属タレントFの地方営業のギャラ支払いをめぐり、タレントFのマネージャー社員Gが電話で、興行元であるイベンターに凄んでいる現場を目撃。マネージャー社員Gは関東出身と聞いていたしいつも標準語で話す人だったが、なぜかその電話口では謎のエセ関西弁で「支払額に不満がある」ことをイベンターに伝えていた。とにかくそのエセ関西弁が仰々しく下手くそであったことを記憶している。
    その地方の営業は口約束で書面での契約を事前に締結していなかったのか、なぜ事後になってギャラの金額で揉めることになったのか、社員Gに聞く術もなく真相は闇の中。
  4. 社長室から怒号が聞こえる事件
    社長が出社したある日、社長室から怒号が聞こえる。昭和ならまだしもこのご時世に、企業の中で怒号が聞こえるなどかなり稀有。少なくとも私の経験上では会社で誰かしらの怒号を聞くのは後にも先にもこの会社のみ。
    とにかく社長が怒り狂う怒号と、何かを叩きつける大きな物音が聞こえたのを鮮烈に覚えている。
  5. 不明ルートから謎の言いがかりをつけられて心を病む事件
    この芸能事務所に入ってしばらくして、ここの社風として相互監視社会というカルチャーがあることに気が付いた。
    「誰それがどこそこで仕事をサボっていた」「誰それの態度が横柄である」というような、もちろん全くいわれのない事実無根の難癖をつけられた上に、それを社長に報告する「チクリ社会」「密告社会」みたいな文化が存在した。まるで社会主義国家、秘密警察国家のようだった。
    それでは、社長にチクられた人はどうなるのか。
    その人の直属の上長が社長に呼び出され、「部下の教育の徹底を」と厳しく訓示を受けるのだ。
    その後、上長からチクられた部下本人へ上位下達で「厳重注意」という名目の訓示が下される。
    先述のように”所属タレントもしくはアーティストの持ち逃げ=担当マネージャーに引き連れられて独立”という行為を過敏なまでに恐れている節が社長からは見え、こういう相互監視社会のような体制を社内に敷くのもこの手の”クーデター”を事前に察知して潰すことも目的に含んでいると思われた。
    あとになってわかったことだが、この”相互監視社会”の根幹をなすのが、私によくしてくれた総務担当社員Hらしい。確かに、総務担当社員Hは内勤だし社内のことを一番よく見られる立場にある。他のセクションの誰かが「総務担当社員Hは社長の犬」と揶揄しつつ、恐れているのを聞いた。

芸能事務所で働きたい人へ

これは私の経験則の話ですが、あなたがどこかの会社に就職や転職をしようとする時は、以前(会社レビューサイトでヤバイ会社を見分ける方法)でも書いたように、まずはその会社についての評判をある程度リサーチし、その内容如何でエントリーをするかしか以下の判断材料にした方がいいです。
芸能事務所であろうがどこの業界の企業であろうが、これは共通です。

私が働いた芸能事務所のネット上の評判はかなり情報が少なく、その良し悪しを判断する材料があまりありませんでした。
ただ、そこに入ったことを後悔はしていません。
特殊な経験をたくさんさせてもらったこと、稀有な環境でいろいろと鍛えてもらったことは私の宝であるとさえ思い、その芸能事務所には感謝しかありません。
仕事内容、権限は社員と同等に扱ってもらいましたし、条件は当時の私のキャリアや年齢からすれば悪くはない金額で契約させてもらっていました。


以前書いた(私が経験したエキセントリックな会社5選【芸能・テレビ・広告・制作】)の記事が思わぬ反響を呼び、とりわけ芸能事務所についての体験談をもっと聞きたいというお便りを頂いたため、今回の当記事を公開するにいたりました。

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✏️ 当記事で書いている芸能事務所で働いた経験やテレビ局、広告代理店などでの経験談をレポートにまとめた過去記事は以下からご参照ください。
▶︎ 私が経験したエキセントリックな会社5選【芸能・テレビ・広告・制作】

✏️ 以前書いた芸能事務所についての現状についての記事は以下からご参照ください。
▶︎ 芸能界は今でもヤクザ稼業という話

✏️ もしあなたが勤める会社の労務関係に問題がある、もしかするとブラック企業かもしれない、そう懸念しているようなら過去に書いた以下の記事をご参照の上、あなたの会社がブラックかどうかジャッジして、退職や転職のご参考になさってください。
▶︎ 【あなたの会社は大丈夫?】ブラック企業診断 最新チェックリストとブラック企業から抜け出す方法

✏️ 地元での生活に飽きたので思い切って上京して人生再出発をしたいという方は過去に書いた以下の記事をご参照ください。
▶︎ 【完全ガイド】人生をチェンジしたいあなたが田舎から上京する方法
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芸能事務所で働こうとする人へ何かしらの参考になれば幸いです。