【経験者が徹底解説】アパレル系の人が転職するにはどうするべきか
本記事のテーマ
- 洋服が売れづらい世の中になり、アパレル関係の企業が軒並み苦しんでいます。
大手アパレル企業の社員ですら早期退職を促される時代。
アパレル商社社員からITに転職した経験を持つ私が、同様にアパレル業界から異業種に転職しようと考える方に向けて役立つ記事を書きました。
✓ もくじ

アパレル企業の人の転職に向いている業界や業種
アパレル業界の憂鬱。
先日、このようなニュースが報じられました。
アパレル大手のワールドが業績不振で国内にある店舗のうち450店を閉鎖するというものです。
服が売れづらい時代といえ、アパレル大手であるワールドが業績を下方修正し、多数のお店を畳むということは大変ショッキングな話題です。
また、紳士服販売店大手のAOKIや青山商事が赤字、希望早期退職者を募集というニュースもありました。
さらに、このようなニュースも・・・。
終身雇用制度や企業年金といった言葉も死語になり大手企業とていつどうなるかわかりません。一部の大手や公務員を除き「安定」という概念はもはや存在しません。
そういうマインドで人生設計をしなければいけない時代です。ましてやアパレル関係の職種はかなり厳しく、これからはもっと厳しくなります。
あなたが身を置くのがアパレル業界かどうか以前に、もし、あなたが上記のニュースのような退職金付きの早期退職者を募集している企業に勤めている場合かなりラッキーです。いつまでもその会社にしがみつくのは危険なので、ぜひ前向きに転職のために動くべきです。そうでなくとも、あとあと後悔しないように転職に向けて早めに動き始めた方がいいです。

それでは、アパレル業界に身を置く人が転職するにはどのような業界・職種が有望でしょうか。
今現在あなたが持つスキル、経験値、マインドをできるだけ生かすことができる職種であることは前提で、アパレル業界にいた私だからこそできる独断と偏見で選びました。アパレル業界とIT業界の双方の内部を知る私の知見でアウトプットしているので参考にしていただけるかと思います。
アパレル業界の人が転職先として想定される職種(業界)は以下のようなところだと思います。【職業別】にピックアップしました。
☝️ 営業職
・制作会社の営業
・人材派遣会社の営業
・広告代理店の営業
→営業職は技術職並みに高いスキルが求められるため、アパレル業界のような大変な世界にて営業社員として鳴らした人なら他業種の営業職でもじゅうぶんにやっていけると思います。ただし、年収は横ばいから微増程度でしょう。
☝️ 販売職
・競合他社(繊維もしくはアパレル系商社)の販売職
・飲食店
・電話営業
→販売職などのいわゆる「サービス業」といわれる小売の販売職は慢性的な人手不足です。異業種からの転職でも販売職のスキルを持つ人なら即戦力として重宝されます。年収アップは期待できず、良くても横ばいでしょう。
☝️ 企画職(マーケター含む)
・競合他社(繊維もしくはアパレル系商社)の企画職
→企画職での転職は狭き門ですが企業からすれば経験者は貴重です。プロダクトを自社でリリースするにあたり、競合調査からプロダクトのアウトデザインや機能面を設計し、製造と販売まで漕ぎ着けるクリエイティビティを発揮できる現場は他業種でもあるはずで需要はあります。年収は横ばいから微増までのレンジがあるでしょう。
☝️ 全職種共通
・業績好調の同業他社(ユニクロ、ZOZOなど)
→「人は洋服を買わない」は誤りで、要するに「服を選ぶ、考え、買うのがめんどくさい」という人が増えているため、そうしたファストファッション業界は業績好調です。アパレル業界全体で見れば先行き不透明ではあり先述の2社とて今後どうなるかわかりませんが、とりあえずの安パイ(経験経歴がそのままスライドできるので)にはなり得ますし、働く期限を数年程度に区切るなどの前提で、そういうところに移籍するのもありでしょう。
・IT系
→ピンチはチャンスと捉え、せっかくの機会をこれから強いと言われるIT職への転職に賭けてみることもアリかと思います。正社員、フリーランス問わず収入は上がると思います。個人的にはぜひチャレンジしてほしい業界です。私自身もこのケースです。
ECサイトなどのオンラインショッピングモールやAI、ウエアラブル端末などのテクノロジーやWEBサービスがこれから隆盛を極めようとする時代において、それらに関わるIT系全般が強いのは自明です。正社員、フリーランス問わず、平均年収が高い職種はIT系に多いのはあなたもご承知のところと思います。

アパレル企業の社員と一口に言っても、経理、総務、広報、製造、流通、販売など様々な職種があると思います。
アパレル企業内で、例えば自社ECのシステムを担当しているエンジニアなどであれば転職は引く手数多でイージーかと思います。
それ以外の職種についても、競合か類似業界、企業への転職は30代くらいまでだと難しくないでしょう。30代以上のアパレル企業勤務の人全てに言えることですが、これからは絶対的にIT系が強いので、IT系への転職をするしないは置いておくとしても、プログラミングなどのIT系企業で働くことができるスキルを習得しておくことは損はないと思います。
アパレル業界から他業種へ転職しようとする人が身に付けておくべきスキルとは何かということは次項で解説します。

アパレル企業の人が転職のために身につけるべき実践的スキル

結論:プログラミングかデータサイエンティストのスキルを身に付けましょう。
もうこれに限ります。単価が高い上にAI社会到来を控え将来も有望です。とりわけ30代までならポテンシャルも高いのでぜひ挑戦してほしいと思います。
アパレル業界時の職種それぞれに向いている転職先の業界や職種があるものの、全職種共通なのがIT業界だと私は断言します。
※プログラマーやデータサイエンティストの年収モデルについては以前書いた別記事をご覧ください。
▶︎ 【職種別比較】フリーランスの平均収入と実態まとめ
(上記の記事ではフリーランスのケースのモデル年収を掲載していますが、正社員の場合は2〜3割ほど年収が下がるイメージでOKです)
プログラマーやデータサイエンティストでフリーランスの場合は案件にもよりますが、フリーランスとして数年経験を積めば、30代で年収1000万円越えのプログラマーやデータサイエンティストなどざらにいます。というか、30代IT系フリーランサーで年収1000万円に届かないということの方がヤバイというか逆に至難の技です。
そうなると、プログラミングで何をすればいいかという話になります。
それはズバリ、PHPとPythonから始めてみてください。これがある程度できればそれ以外の言語はあとからついてきます。
IT系職種の単価、給与額、相場感は以下のようなサイトや、正社員、フリーランスのIT系求人サイトを参考にしてみてください。


アパレル業界から転職する場合、飲食をはじめとしたサービス業とも親和性が高いですが、やはりIT系が有望です。
IT系の入門編的な職種であるWEBディレクターやWEBデザイナーからのセカンドキャリアのスタートでもいいですが、正社員でもフリーランスでもWEBデザイナーはあまり儲かりませんし求人自体も最近は減少傾向にあります。
WEBディレクターはそこそこ儲かりますが、ある程度やったらプロデューサーやPMにステップアップしないと年収は横ばいです。
くどいようですが、そうなるとやはりプログラミングが強いのです。
まずはPHPとPythonさえできていればかなり汎用性があり、PHP、JS、Rubyなどその他の言語を習得するのはその後でも間に合います。
無茶な転職はしたくないし不安もあると思います。
せっかくアパレル業界にいるわけなのでその経験値が生かせる競合他社(同業種)への転職は安パイながらも低空飛行が続く可能性が高いです。アパレル業界にこだわるならアパレル業界での勤務経験やスキルを駆使しつつプラスアルファで何かを習得した方がいいです。(自分でアパレル企業を起業するとか、オリジナルのアパレルブランドを立ち上げるとか、ウエアラブル端末と連動するアパレル商品を開発するスキル、アパレルをはじめとした自社ECサイトを構築できるスキルを習得する・・・etc)
現在あなたがいる会社の社内規則で許されているのであれば同じアパレル業界(競合他社)への転職でもいいと思います。入社時の契約書や誓約書に「退社後は競合他社への転職はしない」旨の誓約を書かされている場合は競合他社への転職は避けた方がいいと思いますが、転職の間にアルバイトや副業を挟むなどすればいくらでも裏技はあります。
とにかく、今回のワールドの店舗整理淘汰のニュースにもあるようにアパレル業界自体が業績悪化しているところが多いため、今までの経験を生かしつつ、思い切って異業種への転職をするのも選択肢としてはアリではないかと思います。

転職におすすめのIT系の強みはテレワークとの親和性だけじゃない

結論:アパレル業界に限った話でなく、非IT以外の人の転職先は絶対にIT業界がおすすめ。
同様にアパレル業界からIT系への転職を経験した私だからはっきり言えますが、不振の続くアパレル業界から思い切って転職するには、プログラミングさえできれば食いっぱぐれる可能性が低く報酬・給与の平均レンジも高いIT系が転職先の業界として絶対的におすすめです。少なくとも、アパレル業界よりは報酬・給与面が高いです。
極端に言えばパソコン一つあればできる仕事なのでテレワークとの親和性が高いのは言うに及ばずですが、家庭の事情を斟酌したライフワークバランスを遵守しやすいことがIT業界の最大のメリットではないでしょうか。面倒な通勤や新型コロナを始めとした疫病の感染リスク、事故や事件に巻き込まれるリスクも相対的に低減されます。
私自身も元アパレル商社勤務で現在はIT系フリーランスのテレワーカーなので、身にしみてIT系職種、テレワークのメリットを感じています。土日祝日をカレンダー通りに休めるのもメリットですね。そういう環境を享受しやすいのがIT系です。
会社員(正社員)、フリーランスいずれでもいいと思いますが、もしあなたが次に働く企業でもアパレル業界にこだわるという場合はそれでもいいと思います。
一定のリスクはつきまとうと思いますが、その先にあなたの野望がある、経験もあるし慣れていて好きなアパレル業界に身を置きつつ、将来のために副業なり何がしらの自己への投資をするというならそれでもOKです。

まとめ
私のアパレル商社時代の年収はギリギリ生きていける程度の酷いもので、IT業界への転業を考えるきっかけにもなりました。
IT業界へ移って今があるのですが、IT職に転職して良かったと心底思います。
あなたの人生はあなたものです。
大変な経験をしたとしてもそれは必ずあなたの人生の糧となるはずです。
どうか負けないで。
