【フリーランスのあなたに見てほしい】困った時のやりくりで危機を脱しよう

「コロナで仕事が激減。貯金を切り崩していたけどちょっと厳しくなってきた。そんな時はどうすればいい?」
こういった声にお答えします。

✓ もくじ
フリーランスは会社員のように休業補償も雇用保険もないので、自分の身は自分で守るしかありません。
今年は新型コロナもあり、その立場はいっそう不安定です。
我々フリーランスは同業の会社員より報酬が高めに設定されてはいるものの、コロナによる減収で支出が嵩み、生活資金や事業資金が底をつきそう、そのような事態に陥った場合に頼るべきセーフティーネットがいくつかあります。
本記事ではそういったフリーランスの方への助けになりそうなセーフティーネットと、それらを利用する条件や手順をまとめてみました。

公的機関の緊急融資と住宅確保給付金を申請しよう

個人のフリーランスが利用できる公的機関のセーフティーネットでメジャーなものとしては以下の2つがあります。
- 行政による緊急小口資金
- 行政による住宅確保給付金
当記事では東京都豊島区を例に解説します。
豊島区の場合は、緊急小口資金については社会福祉協議会が、住宅確保給付金については豊島区がやっています。
東京都のその他の市区町では概ね条件は同じで、全国の市区町村でも同様のセーフティーネットがありますが、諸条件などは直接、HPや電話などでお問い合わせください。
緊急小口資金
豊島区の緊急小口資金の特徴は以下です。
- 貸付上限額 20万円以内
- 据置期間 1年以内
- 返済期間 2年以内(24回以内)
- 連帯保証人 不要
- 無利子
申請するには指定の申請書が必要です。以下のいずれかで入手できます。
- 豊島区のHPから申請書をダウンロードする
- 豊島区に電話をして申請書を郵送してもらう
- 豊島区の窓口で申請書をもらう
現在、新型コロナで融資対象が拡大されており、個人のフリーランスでも利用可能です。

必要書類は以下です。
- 借入申込書
- 重要事項説明書
- 借用書
- 住民票の写し(世帯全員が記載された発行後3か月以内のもの)
- 預金通帳の写し(表紙、1ページ目。銀行名と名前が記載された部分)
- 本人確認書類(健康保険証、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードのいずれか)
- 在留カード(外国人の場合)
- 収入の減収状況に対する申立書
- 新型コロナの影響で案件が受注できない状態にあること(フリーランスの場合)
書類が多くて目眩がしそうですが、1、2、3、8については先述したように区のHPからダウンロードして印刷するか郵送してもらうなどして入手し、必要事項を記載しましょう。
4は豊島区役所で取得できます。
5は、該当部分をスキャンをして印刷すればOKです。
6も、コピーして印刷すればOKです。
9は、例えばクライアントが発行した「新型コロナによる業績悪化による契約打ち切り」など、明確に新型コロナが原因で契約終了とわかる書面が発行されていればそれがベストと思われます。
その他のパターンとしては、フリーランスのエージェント会社などに、エンドクライアント各社がコロナで業績悪化したためプロジェクト縮小や増員をストップしている状態になり「コロナで案件を失注」あるいは「コロナで案件を紹介できない状態」ということを一筆書いてもらうか、窓口から電話して口頭で証明してもらえばOKです。その際、当然ながら社会福祉協議会に対してエージェント会社の社名や担当者名の開示をすることになるので、事前にエージェント会社の担当者に承諾を取りましょう。私の知人はこのパターンで融資を受けました。
各書面の記入方法は区のHPにも掲載されていますが、難しければ電話で相談しましょう。
窓口でも教えてくれるとは思いますが、こういうご時世ですので、十分に感染対策を行った上で出向きましょう。
申請から入金までの期間は豊島区の場合だと申請から概ね1週間程度とのことです。
融資ですので審査は一応ありますが、公的機関による困窮者への緊急融資という性格上、申請の書類さえ揃えば通らないケースは稀だそうです。

住宅確保給付金
住宅確保給付金は、融資ではなく給付金ですので返済の必要はありませんが、家賃の支払い支援をしてもらう性格のものですので、申請者(利用者)自身の銀行口座に振り込まれるわけではなく、不動産会社(家賃支払い先)の口座に支払われます。
支援額も全額ではなく上限がありますので、家賃補助くらいの認識でいた方がいいです。
対象条件は以下です。
- 現居住地が豊島区で住居用の賃貸物件を契約中である(生活保護受給者は該当しない)
- 離職またはやむを得ない休業などにより経済的に困窮し、住宅を喪失、もしくは喪失の恐れがある
- 申請日が、離職、廃業のの日から2年以内、または、給与その他の収入が個人都合出ない理由で減少し、離職または廃業と同等の状況にあること
- 申請時、世帯の生計を主として維持していたか、主として生計を維持している
- 申請日の属する月における、申請者及び申請者と同一の世帯に属する者の収入の合計額が、基準額に申請者の居住する賃貸住宅額を合算した額以下であること。
- 単身世帯:基準額8.4万円に申請者が居住する賃貸住宅の家賃額(53,700円が上限)を合算した額以下
- 2人世帯:基準額13万円に申請者が居住する賃貸住宅の家賃額(64,000円が上限)を合算した額以下
- 3人世帯:基準額17.2万円に申請者が居住する賃貸住宅の家賃額(69,800円)を合算した額以下
- 申請者及び申請者と生計を一とする同居の親族の預貯金の合計が次の金額以下である方。
- 単身世帯:50.4万円
- 2人世帯:78万円
- 3人世帯以上:100万円
- ハローワークに求職を申し込みをし、誠実かつ熱心に常用就職を目指した求職活動を行うこと(緩和策あり)。
- 国の雇用施策による給付(職業訓練受講給付金)または地方自治体等が実施する離職者等に対する住居の確保を目的とした類似の給付等を申請者及び申請者と同一の世帯に属する者が受けていないこと。
- 申請者及び申請者と生計を一とする同居の親族のいずれもが暴力団員による不当な行為の防止等に関する法(平成3年法律第77号)第2条第6号に 規定する暴力団員でないこと。
上記の7について、「緩和策あり」と書いているのは、新型コロナで窓口が混み合い三密になることを防ぐ意味で免除される(ハローワークに求職登録するのみでOKの)ケースもあるようです。申請時期にもよるかと思うので条件面は区のHPや電話で確認してください。

条件に該当する方は、申請には以下の書類を揃える必要があります。
- 住居確保給付金申請書(申請者が記入する)
- 住居確保給付金申請時確認書(同上)
- 入居住宅に関する状況通知書(不動産会社に記入してもらう)
- 求職申込み・雇用施策利用状況確認票(ハローワークに記入してもらう)
上記は豊島区のHPからダウンロードして印刷して記入してください。
3は不動産会社に事前に電話で確認して事情を説明、承諾を取っておいてから郵送しましょう。
4はハローワークの窓口で「住宅確保給付金の申請をしたい」旨を説明すれば書いてもらえます。
上記に加え、以下も必要です。
- 職歴書
- 身分証証明書の写し(世帯全員分)
- 賃貸借契約書の写し(契約期間、家賃、貸主と契約者が明記された部分は必須)
- 直近3か月間の収入がわかる書類の写し
- 所有している通帳の取引履歴(過去3か月分)の写し(世帯全員分)
- 家賃の支払い履歴(過去3か月分)
- 離職票の写し
1は豊島区HPからダウンロードできます。職歴と言っても詳細は記入しなくて良いので、簡単に経歴を書けばOKです。
2は普通運転免許証のコピー、3は不動産会社との契約書のコピー、4は報酬額がわかる明細がベストですがなければ帳簿を印刷でもOKです。
5は持っている銀行口座全ての通帳の直近3ヶ月分の収支がわかる部分のコピー、6は銀行通帳の中で現在契約している(家賃を支払いしている)不動産会社か家賃支払い先の会社への「振り込み」もしくは「引き落とし」=(家賃支払い)が証明できる部分がわかればOKです。
7についてはフリーランサーは持っていないため、緊急小口資金同様に「新型コロナの影響で案件の受注に苦労していて生活に困窮している」という証明ができれば申請は可能です。
実際に給付してもらえる(支援してもらえる)金額は以下です。
- 単身世帯:53,700円まで
- 2人世帯:64,000円まで
- 3人世帯:69,800円まで
お役所構文のためちょっとややこしいですが、例えばあなたが家賃7万円の賃貸マンション(もちろん豊島区内)に住んでいる場合、53,700円が豊島区から不動産会社の口座に支払われますので、あなたは残りの16,300円を不動産会社に支払う必要があります。53,700円以下の家賃なら豊島区から不動産会社への支払いで全額賄えますので、あなたが支払う必要はありません。
2人世帯、3人世帯も同様の計算方法です。
支払い期間は3ヶ月間ですが、条件によっては延長も可能です。
詳細は自治体へご確認ください。

請求書買取サービスを利用しよう

行政の審査では事足らない場合はフリーランスでも利用できるファイナンスを利用するという手があります。
GMO、LINE、NTTドコモなど大手通信会社がやっているものがよく知られていますよね。
ざっくり言うとフリーランサーからエージェントもしくはクライアントに発行する請求書を買い取るサービスです。いわば請求書を担保に融資を受けるものです。
当然ながら審査もありますが、審査を取ったあとの振り込みまでの日数が割と早いのがこの手のファイナンスの特徴です。

クレジットカード会社のリボ払いを取り入れる

クレジットカードを持っている方は月々の支払いをリボ払いに変更する手もあります。
リボ払いは翌月以降に回した分に手数料も上乗せされて請求がきますので、自身の残債を把握した上で計画的な利用を心がけましょう。
利用手順は各社で異なりますが、概ねマイページにログインして、そこからリボ払いに変更可能です。
諸条件はクレジットカード会社へ確認してください。

苦しい時はあらゆる方策を試してしぶとく生き延びましょう
今回の新型コロナ騒動で痛感したことは、お上は庶民からお金を取り上げる方は素早いが、与える方については意図的かどうかはわかりませんが、情報を積極的に情報を出さないケースが散見されるということです。
国民が受けるべきセーフティーネットの存在が意外と知られていなかったり、手続きが煩雑で億劫になる人もたくさんいることでしょう。
そんな中で、我々フリーランサーでも利用可能なセーフティーネットは世の中にかなりあるということを学びました。
当記事ではフリーランスでも利用可能な融資・ファイナンスを取り上げましたが、利用せずに済むのならそれが一番です。
利用する場合は自己責任で、よくお考えになってから利用してください。
また、当記事でご紹介した融資やファイナンスなどは、提供する企業や自治体に必ず諸条件などを確認してから利用するかどうか判断してください。
ピンチはチャンス。強い意思で生き抜きましょう。
